BI探検ノート

Power BI で、累計と年初来を出す方法(CALCULATE と TOTALYTD の違い)

約4分

濵口 翔長崎で、Power BI のつまずきを記録しています
目次
  1. 前提
  2. 練習用の CSV で、はじめから作る(画面つき)
  3. 手順
  4. 結果の読み方
  5. 公式の記載との照合
  6. この記事で確認できたこと・できていないこと
  7. 参考

確認日2026年10月20日。Power BI Desktop(日本語版、2.159.883.0)で、ダミーのデータを使って確かめました。確認できていないことは、末尾にまとめました。

売上の累計(積み上げ)と、年初来(その年の頭からの累計)を、DAX で出して、折れ線グラフに並べました。2つは、年が変わるときの動きが違います。

結論(30秒版)

  • 累計は CALCULATE([売上合計], FILTER(ALL('日付テーブル'), '日付テーブル'[Date] <= MAX('日付テーブル'[Date])))、年初来は TOTALYTD([売上合計], '日付テーブル'[Date]) で出ました。
  • 年初来は、年が変わると(2026年1月に)リセットされました。累計は、リセットされず、増え続けました。
  • どちらも、データのない期間(2026年4月以降)まで、線が水平に伸びました。

前提

日付テーブルを作って、売上のテーブルとつなぎ、「日付テーブルとしてマーク」してあります(日付テーブルを作る方法を参照)。データは、ダミーの売上(2025年1月〜2026年3月、51行)で、売上合計 = SUM(sales3[売上]) を作ってあります。

練習用の CSV で、はじめから作る(画面つき)

練習問題の CSV(sales_yoy.csv)で、日付テーブルを作り、売上とつなぎ、「日付テーブルとしてマーク」したあと、累計と年初来のメジャーを作って、画面を撮り直しました(日付テーブルの作り方は、前年比の記事の「練習用の CSV で、はじめから作る」に、画面つきで書きました。テーブル名は sales_yoy です。下の式は、最初のテーブル名のままなので、読み替えてください)。

1. 売上累計のメジャーを作る。

数式バーに、売上累計のメジャーが入っている

2. 売上年初来のメジャーを作る。

数式バーに、売上年初来 = TOTALYTD の式が入っている

3. 表にして確かめる。 年と月ごとに、売上合計、売上年初来、売上累計を並べると、年初来は、2026年1月で、リセットされました(2025年12月は 61,508、2026年1月は 4,573)。累計は、リセットされず、増え続けました(2026年3月に 75,874 になり、そのあとは、データのない月(2026年4月以降)まで、同じ値が続きました)。

年と月ごとの表。売上年初来は2026年1月に4,573に戻る。売上累計は増え続けて75,874で止まる

手順

「新しいメジャー」で、次の2つを作ります。

売上累計 =
CALCULATE (
    [売上合計],
    FILTER (
        ALL ( '日付テーブル' ),
        '日付テーブル'[Date] <= MAX ( '日付テーブル'[Date] )
    )
)

数式バーに、売上累計のメジャー(CALCULATE と FILTER、ALL)を入力した画面

売上年初来 = TOTALYTD ( [売上合計], '日付テーブル'[Date] )

数式バーに、売上年初来のメジャー(TOTALYTD)を入力した画面

折れ線グラフの、X軸に「日付テーブル」の Date、Y軸に、売上合計・売上年初来・売上累計を入れました。

折れ線グラフ。売上累計(オレンジ)は右上がりで、2026年3月以降は水平に伸びる。売上年初来(濃い青)は2026年1月に急に下がり、3月以降は水平に伸びる。売上合計(水色)は低い線。2025年3月5日のツールチップは、売上合計 1415、売上年初来 9021、売上累計 9021

結果の読み方

  • 売上累計: 2025年は右上がりで、約 61.5K。2026年3月までで、約 75.9K になりました。
  • 売上年初来: 2026年1月に、値が下がって(リセット)、3月までで、約 14.4K になりました。
  • 2025年は、2つが同じ値になります(ツールチップの 2025/03/05 で、どちらも 9021)。年初が、データの最初と一致しているためです。
  • データのない期間: 2026年4月〜12月は、売上がないのに、どちらの線も、水平に伸びました。日付テーブルが、2026年12月まであるためです。

線を、データの最後で止める方法は、確認していません。

公式の記載との照合

Microsoft Learn(日本語版)の「TOTALYTD 関数 (DAX)」(確認日 2026年10月20日)と、私の観察を、突き合わせました。

  • 年累計: 公式では、現在のコンテキストの、年累計値を評価する関数、と説明されています。年が変わるとリセットされた、私の観察と合っています。
  • 年の終わり: 公式では、4つ目の引数 year_end_date を、省略できて、既定は12月31日、会計年度などでは「6/30」のように指定する、と書かれています。この記事では、既定(12月31日)で確かめました。
  • 使えない場合: 公式では、DirectQuery の計算列や、行レベル セキュリティの規則では、使えない、ビジュアル計算での使用は、意味のない結果になる可能性が高いため、推奨されない、と書かれています。

この記事で確認できたこと・できていないこと

確認日: 2026年10月20日。Power BI Desktop(Windows、日本語版、2.159.883.0、未サインイン)、ダミーのデータ51行。

確認できたこと

  • 上の2つのメジャーで、累計と年初来が出たこと
  • 年初来が、年が変わるとリセットされ、累計は続くこと
  • データのない期間にも、線が水平に伸びること

確認できていないこと

  • 店舗ごとの累計
  • 日付が欠けているときの動き
  • 線を、データの最後で止める方法
  • 英語版での名称

参考

この記事で使った用語

Power BI Desktop
Windows で動く、レポートを作るためのアプリです。データの取り込みとモデルの作成、レポートの作成に向いています。
セマンティックモデル
レポートやグラフに使える状態に整えた、データの元です。作り方の1つは、モデルを含む Desktop のファイルを、Power BI サービスにアップロードすることです。

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