BI探検ノート

Power BI で、数字の列が合計できない(文字列になる)ときの直し方

約5分

目次
  1. 何が起きたか
  2. 症状
  3. 直し方(Power Query エディター)
  4. グラフを直す
  5. 公式の記載
  6. 確認したこと・していないこと
  7. 参考

確認日2026年10月19日。Power BI Desktop(日本語版、2.159.883.0)で、ダミーの5行の CSV を使って確かめました。確認できていないことは、末尾にまとめました。

売上の列をグラフの値に入れたら、合計が選べず、「カウント」になって、全部の棒が 1 になる。数字のつもりの列が、文字列(テキスト)として読み込まれているときの症状です。

結論(30秒版)

  • 数字以外の文字(「円」「,」「¥」「約」「-」)が混ざった列や、全角数字の列は、テキストとして読み込まれました。
  • 直すには、Power Query エディターで、不要な文字を「値の置換」で消してから、データ型を「整数」(または「10進数」)にします。
  • 「-」は、型を変えると「Error」になります。「エラーの置換」で null にします。全角数字は、型の変更では直らず、半角に置換する必要がありました。

何が起きたか

次の3列を持つ、5行の CSV を読み込みました(店舗ごとの売上のダミーです)。

  • 売上A: 「1,200円」「¥3400」「約500」「-」「2,100円」が混在
  • 売上B: 全角数字(「1200」など)
  • 売上C: 半角数字(「1200」の末尾に半角スペースを付けたもの)

Power BI Desktop が読み込み時に判定した型は、次のとおりです。

  • 売上A: テキスト
  • 売上B: テキスト
  • 売上C: 整数(末尾の半角スペースがあっても、数値と判定されました)

売上C だけ、データペインに「Σ」のマークが付いています。テキストの列には付きません。

データペインのフィールド一覧。売上A、売上B にはマークがなく、売上C だけに Σ が付いている

症状

テキストになった売上B を、縦棒グラフの値に入れました。

  • Y軸には入らず、「凡例」に入ってしまい、棒は出ませんでした。
  • Y軸にドラッグすると、「売上B のカウント」になり、全部の棒が 1.0 になりました。
  • 値のメニューには、「カウント (一意の値のみ)」と「カウント」だけが出て、「合計」はありませんでした。

売上B のカウントを値にした縦棒グラフ(左半分)。縦軸が 0.0〜1.0 で、渋谷と上野の棒が、どちらも 1.0 になっている

直し方(Power Query エディター)

ホームの「データの変換」で、Power Query エディターを開きます。

1. 不要な文字を置換する

  1. 売上A の列を選びます。
  2. 「変換」タブの「値の置換」を選びます。
  3. 「検索する値」に「円」、「置換後」を空にして、OK を押します。
  4. 同じように、「,」「¥」「約」も消します(置換は、全部で4回です)。

「値の置換」のダイアログ。「検索する値」と「置換後」の入力欄がある

2. データ型を整数にする

列見出しの左のアイコンか、右クリックの「型の変更」から、「整数」を選びます。

「-」の行は、ここで「Error」になりました。

店舗と売上A の列(左2列)。売上A の4行目の「-」だけが「Error」と表示されている

3. エラーを null にする

「変換」タブの「値の置換」の ▾ から「エラーの置換」を選び、値に null を入れます。「-」の行が null になります。

null は、キーボードで入力すると、大文字の NULL になって警告が出ました。そのときは、貼り付けで入力すると通りました。

4. 全角数字は、置換が必要

売上B の全角数字は、整数に変換すると、5行とも「Error」になりました。右クリックの「型の変更」の「ロケールを使用…」(整数、日本語(日本))でも、同じでした。

「値の置換」で、全角の 0〜9 を、半角の 0〜9 に、10回置換してから整数にすると、変換できました。

3列とも整数になった Power Query エディター。1行目から5行目まで数字が右寄せで並び、売上A の4行目は null

5. 閉じて適用する

ホームの「閉じて適用」を押します。3列とも、データペインに Σ が付きました。

グラフを直す

既存のグラフは、「売上B のカウント」のままでした。値のフィールドの ▾ を開くと、「合計」が選べるようになっています。「合計」を選ぶと、「売上B の合計」(1500、1200、900、800、600)になりました。

値のフィールドのメニュー。合計、平均、最小値、最大値、カウント(一意の値のみ)、カウント、標準偏差が並び、いまは「カウント」にチェックが入っている

公式の記載

Microsoft Learn(日本語版)に、次の説明があります。

  • CSV などの非構造化ソースでは、型を、最初の200行に基づいて自動で判定します。
  • 型の変更は、「ホーム」「変換」のデータ型メニュー、列見出しのアイコン、右クリックの「型の変更」から行えます。
  • テキストを別の型に変換するときは、ロケールが使われます。
  • 先頭の空白は削除されず、末尾の空白は自動で削除されます(Power BI のデータ型の説明)。

私の環境では、「最初の200行」の件の再現(201行目以降の混在)は、していません。

確認したこと・していないこと

確認日: 2026年10月19日。Power BI Desktop(Windows、日本語版、2.159.883.0、未サインイン)、ダミーの5行。画面や名称は、バージョンで変わることがあります。

確認できたこと

  • 上の3列が、それぞれテキスト、テキスト、整数と判定されたこと
  • テキストの列で、合計が選べず、カウントになること
  • 置換、型の変更、エラーの置換で、売上A を整数にできたこと
  • 全角数字は、型の変更やロケール指定では直らず、半角への置換が必要だったこと
  • 閉じて適用のあと、既存グラフの値は、自動では合計に変わらず、手で「合計」を選ぶ必要があったこと

確認できていないこと

  • 「約500」を 500 として扱ってよいかは、データの意味で決まります。この記事では、置換しただけで、判断はしていません。
  • null を含む列の合計が、どう表示されるか。
  • 201行目以降に混在があるときの動き。
  • ほかのバージョンや、英語版での動き。

参考

この記事で使った用語

Power BI Desktop
Windows で動く、レポートを作るためのアプリです。データの取り込みとモデルの作成、レポートの作成に向いています。

用語集をすべて見る