BI探検ノート

出生率が高い県の上位7県は、7県とも人口が減っている(47都道府県を並べて確かめた)

約4分

濵口 翔長崎で、Power BI のつまずきを記録しています
目次
  1. 出生率が高い7県の人口
  2. 47都道府県の相関係数(私の計算)
  3. 注意(読むときに)
  4. 確認していないこと

出生率が高い県は、人口が増えているのでしょうか。ここ数日で集めた公開データ(最低賃金、転入超過、基準地価、出生率、国勢調査)を、47都道府県で、1つの表に並べて確かめました。

数字の出どころ: 最低賃金(厚生労働省)、転入超過(総務省統計局)、出生率(厚生労働省・概数)、国勢調査の人口(総務省統計局)。それぞれの記事に、出典と確認方法を書いています。この記事の相関係数などは、これらの表から私が計算したものです(統計局や厚労省の発表ではありません)。

結論(30秒版)

  • 2025年の合計特殊出生率が高い上位7県(沖縄 1.52、宮崎 1.46、福井 1.45、長崎 1.42、島根 1.41、香川 1.40、熊本 1.40)は、7県とも、2020〜2025年に人口が減っています(沖縄 −0.1%、熊本 −3.5%、香川 −4.6%、宮崎 −4.9%、福井 −5.0%、長崎 −6.1%、島根 −6.3%)。
  • 人口が増えた唯一の東京は、出生率が最も低い(0.96)です。
  • 47都道府県で、出生率と人口の増減率の相関係数は −0.19(ほぼ関係なし)でした。人口の増減と強く結びついていたのは、転入超過(人口1,000人あたり)で、相関係数は 0.89 です。

出生率が高い7県の人口

都道府県出生率(2025年)人口の増減(2020→2025年)
沖縄1.52−0.1%
宮崎1.46−4.9%
福井1.45−5.0%
長崎1.42−6.1%
島根1.41−6.3%
香川1.40−4.6%
熊本1.40−3.5%

7県とも、人口が減っています。一方、東京は、出生率 0.96(最低)で、人口は +1.3% でした。

出生率と人口の増減の散布図。右側の出生率が高い県(青)は、すべて 0% より下。左上に東京が1つだけある

47都道府県の相関係数(私の計算)

相関係数(ピアソン)は、−1〜+1 の値で、1 に近いほど、右上がりの関係です。

組み合わせ全47東京を除く46大都市8を除く39
出生率 × 人口の増減率−0.19−0.09+0.22
転入超過(人口1,000人あたり) × 人口の増減率0.890.870.78
最低賃金 × 転入超過(人口1,000人あたり)0.790.740.39
最低賃金 × 出生率−0.54−0.48−0.37

(大都市8は、東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、福岡、兵庫です。)

  • 出生率と人口の増減には、はっきりした関係がありませんでした。東京や大都市を除いても、同じです。
  • 人口の増減は、転入超過と強く結びついていました。ただし、転入超過は人口の増減の一部なので、この関係は、半分は当たり前の関係です(下の注意を見てください)。
  • 最低賃金が高い県ほど、転入超過が大きい傾向が、全47では見えました(0.79)。ただし、大都市8を除くと 0.39 まで弱まります。賃金が人を集めているのか、大都市に、賃金も人も集まっているのか、この数字だけでは分かりません。

最低賃金と転入超過(人口1,000人あたり)の散布図。東京、神奈川、埼玉、大阪が右上、愛媛、長崎などが左下

注意(読むときに)

  • 相関は、原因ではありません。「出生率が高いと人口が減る」とは言えません。ここで言えるのは、「出生率が高い県でも、人口は増えていない」ことです。
  • データの期間が違います。人口の増減は、2020→2025年の5年間、転入超過・出生率・最低賃金は、2025年(または2026年度)の1年分です。
  • 転入超過は、人口の増減の一部です(人口の増減 = 自然増減 + 社会増減)。そのため、この2つの相関は、当たり前に高くなります。
  • 47点しかなく、東京が大きく離れています。東京と大都市を除いた結果も、並べました。
  • 都道府県の平均の値で、県の中の人の話ではありません。

確認していないこと

  • 因果関係(賃金が人を集めたのか、など)は、確かめていません。
  • 年齢構成の違いを調整した分析は、していません。
  • 数字の元の表の確認は、それぞれの記事に書いています(出生率の表の見出しは画像で確認していない、など)。